私は専門学校を卒業してから独立するまでの12年間、ゲームスタジオで働いていました。ここでは、実務を通して学んだことを共有したいと思います。デザイナーからアートディレクター、マネージャーへ——現場のさまざまな経験が、私のクリエイターとしての基盤を固めてくれました。この振り返りが、皆さんのキャリアのヒントになれば嬉しいです。
プロになった実感
新卒として入社した私は、研修を受けてすぐに現場に飛び込みました。3人ほどの小さなチームから、100人規模のプロジェクトまで幅広く経験できたことは、大きな学びになりました。
小さなチームでは、アーティストが私だけという状況が多く、全ての絵素材を一人で作る必要がありました。ゲーム全体のトーンを考え、メカニクスと融合するよう知恵を絞りながら取り組みました。限られたリソースの中で、クオリティを最大限に引き出す工夫が、自然と身についたと思います。
一方、100人規模のプロジェクトでは、キービジュアルを担当するチャンスをいただきました。この機会をものにしたいと必死になり、連日深夜まで作業に没頭しました。疲労はありましたが、大きな役割を任せられた喜びが勝り、苦になりませんでした。この経験から、責任の重さがモチベーションになることを実感しました。
この頃、SNSが急速に発展し、ユーザーの反応がリアルタイムで共有されるようになりました。自分が手がけたアートがユーザーの目に触れ、ポジティブな反応が返ってきた瞬間は、今でも忘れられない感動です。各社のメディアやゲームショウなどのイベントに展示されるようになると、自分がプロとして認められた実感が湧きました。これが原動力となり、常に品質に妥協しない姿勢を身につけることができました。こうした現場のフィードバックは、弊社レイスアーツの制作でも重視しており、高いクオリティを維持する基盤となっています。
アートディレクターの仕事
入社7年ほど経った頃、私はスカウトを受け、別のスタジオに移籍しました。より挑戦的な環境で、自分の実力を試したいという気持ちが芽生えていたタイミングでした。新しい環境では、アートディレクターとして活動し、大きな転機となりました。
個人技が中心のアーティスト業務とは違い、自分の担当以外の分野にも精通する必要があります。これまではキャラクターデザインやコンセプトアートを中心に手掛けていましたが、UIやアニメーション、VFX、カットシーンのほか、販促用のアートやWEBデザインなど、多岐にわたる業務に対応しました。私はもともと特定の分野に特化したスペシャリストよりも、ジェネラリストのキャリアに関心があったので、ポジティブに取り組めました。これまでに様々な規模のプロジェクトを手掛けてきた経験が、ここで大きく活きました。
しかし、経歴や背景が異なる人々をまとめ、チームを導くことは容易ではありませんでした。プロジェクトが安定している時期は良いのですが、佳境に差し掛かると各所で問題が発生します。当時、私は自分の技術や知識、組織構造を使って人を動かそうとしていました。競争の激しいゲーム産業で勝ち残るには、制作過程での摩擦や衝突は避けられないと考えていたんです。でも、最終的に気づいたのは、ものづくりへの情熱やプロジェクトを成功させる責任感、誠意が伝わることで初めて共感が生まれ、チームとして成立するということでした。この学びは、弊社でアートディレクションを担う今も、チームの結束を強めるために活用しています。
マネージャーとしての責任
スタジオの成長とともに、組織をマネジメントする機会が増えました。アーティストの採用や育成、キャリア設計などを経験し、責任の重さを痛感しました。
アートディレクターの業務と同様、様々な人との関わりの中で、常に理想と現実のギャップに悩みました。例えば、優秀な人材を採用しても、チームにフィットするまでには時間と工夫が必要です。育成では、一人ひとりの強みを活かしつつ、全体のバランスを取る難しさを実感しました。時には厳しいフィードバックを伝える場面もありましたが、それが成長のきっかけになるよう、誠実に取り組むことを心がけました。この経験から、人の可能性を引き出すマネジメントの重要性を学びました。
最後に
ゲームスタジオでの12年間は、技術だけでなく、人間性やチームワークの大切さを教えてくれました。情熱を原動力に、妥協なく取り組む姿勢が、プロとしての基盤を築きました。これらの学びを活かし、次世代のクリエイターを支えながら、高品質なゲームアートを生み出すための活動を続けています。
CONTACT
ご覧いただき、ありがとうございました。レイスアーツは、ゲームの魅力が際立つアートをご提供し、プレイヤーの心を動かすゲームづくりに貢献します。ご相談やご質問などありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

会社概要
| 会社名 | 株式会社レイスアーツ WRAITH ARTS Inc. |
| 所在地 | 〒104-0061 東京都中央区銀座1-12-4N&E BLD.7階 #7F N&E BLD. 1-12-4 Ginza, Chuo-ku, Tokyo-to 104-0061 |
| info@wraitharts.co.jp | |
| Web | https://wraitharts.co.jp |
| 代表者 | 山崎直輝 |
| 主事業 | ゲーム開発 / 教育学習支援 |
| 資本金 | 3,000,000円 |
| 設立年 | 2024年 |
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